新・読書日記 2015_043
『地方消滅』(増田寛也編著、中公新書:2014、8、25初版・2014、11、25第13版)
去年の「新書大賞」を取ったベストセラー。これも、2月に3泊4日で東北を旅した時に読んだ。東北の街々を実際に歩きながら読むと、より内容が理解できるかなと思って。
要約すると、基本的には、国や自治体の繁栄は「人口」であると。人口が減ると国も自治体も衰える。つまり「少子高齢化」は「国(自治体)を滅ぼす」ということで、この主張自体には、それほど目新しさはない。本書ではその防止策として、
「地方の『中核都市』に人口・施設を集中させて、地方全てが消滅するのを防止する」
ということを挙げている。これがポイントかな。
その際に重要な人材は「若い女性」、つまり、
「子どもを産める女性の人数」
が、この防止策の成功を左右するというような内容でした。これって「女性は産む機械」的な発想ですよね?そうは言っていないけど。それが重要だというのは、その通り。もちろん、「人口が減ったら繁栄はない」という考え方を「是」とすれば、ということですが。
それにしても、1970年代ぐらいまでは、
「このペースで人口が増え続ければ、食料がなくなる」
というマルサス的な視点だったはずなのに、今度は人口が減って来ると、
「人口が増えないと国が亡びる」
というのは"マッチポンプ的"な気がするんですけど、そこはどうなのか?
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