新・読書日記 2015_041
『通訳日記~ザックジャパン1397日の記録』(矢野大輔、文藝春秋:2014、12、15第1刷・2014、12、23第4刷)
去年のブラジルワールドカップ終了までのサッカー日本代表監督だったザッケローニ氏・通称ザックのイタリア語通訳を務めた著者の日記。結構、分厚い本。文藝春秋者のスポーツ専門誌「ナンバー」で連載していたものをまとめたもののようだが、「ナンバー」では読んでいなかったので、初めて読んだ。「通訳の目から見た『ザック・ジャパン』の真実」と言った感じ。何せ「1397日」もの期間の記録なので、大変貴重な資料だと言える。監督だけではなく、もちろん代表選手とも接触しているので、それぞれの選手の素顔も垣間見えて、それも貴重だ。
「通訳」と言うと、「イタリア語ができればいい」と考えがちだが、プロスポーツのチームの通訳はそれだけではなく、監督と選手の間に立ち、サッカー戦術などから、監督の考え、選手との接触の仕方も、もちろん分かっていないといけないし、「通訳」にとどまらず「ヘッドコーチ」的な役回りも、こなさなければならない。まさに「日本代表の一員」として、共に戦ってきたことがよくわかる一冊。
ザックが著者に対して「ダイスケ、ここでの通訳の経験は、君が将来監督を務めるときにきっと役に立つ」と言ってくれたそうだが、その通りだと思った。
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