新・読書日記 2015_016
『認知症の「真実」』(東田勉、講談社現代新書:2014、11、20)
黒い帯に書かれた赤い文字は、
「"認知症"は国と医者が造り上げた虚構の病だった!」
黄色い文字で、
「認知症医療の『闇』と『希望』を描いた2014年最大の衝撃作」
とおどろおどろしい。
著者は医者ではなく、1952年生まれのフリーライター兼編集者。
「認知症」という新しい病名が出来た頃、「認知症」に効くという「クスリ」が売り出された、と。従来の「痴呆症」や「アルツハイマー病」という区分の時代よりも、「認知症」という名称になってから「患者」がどんどん増えているが、「認知症」は本当に「病気」なのか?「メタボ」という言葉と基準が定められてから、「メタボ」は「未病」という「病気」だから「治療対象」となって来たことなどを考え合わせると、本書の主張も納得できる部分も多い。
全てを「そうなのか!」という気はないが、昨今の、
「2025年には認知症患者が700万人に!」(2012年は462万人)
などというデータを見ると、「ちょっと眉唾」というか、
「認知症の症状の大部分は『加齢』によるものではないか?つまり『老化』なのではないか?」
と思ってしまう。「老化」は自然であり、不可逆的だ。昨今は「アンチエイジング」が流行っているが、何千年も昔から「不老不死」を願う人間の希望はあるものの、それは「自然に反する行為」でもある。
「病人=患者」が増えれば「病院」「製薬会社」が儲かる。そう考えると「眉唾」ものでも、「ちょっとはそうなのかな?」
と思ってしまっても仕方がないのではないか。
どちらも、ちょっとずつ信じて、自分で考えよう。
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