新・読書日記 2015_014
『誰も知らない世界と日本のまちがい~自由と国家と資本主義』(松岡正剛、春秋社:2007、12、20第1刷・2008、1、20第2刷)
随分前に購入していながら、なかなか読み切れなかったが、ここにきて「読むぞ!」という気になった、長いことかかったなあ・・・。
読み出すと、何ともおもしろい!
未来を知るには過去を知ること・歴史を学ぶことが不可欠ですが、「世界史」とか「日本史」というような分類ではなく、「人類の歴史」を同時進行的に、「共時的」でありながら「通時的」に教えてくれる大学の講義に出ているような、知的好奇心をくすぐる一冊である。
「第一講」が「ネーション・ステートの謎」。「近代における国家って何だろう?」と、このところの「イスラム国」の問題にぶち当たって考えざるを得ない。「集団的自衛権」の問題だって「国」、「国家」対「国家」の問題ですしね。
1899年「義和団の乱」、これに対抗した「列強8か国」って・・・「G8」じゃないですか!なんだか変わってないなあ。
じっくりと読んで考える。考えたら、また読む、という感じで読み進めることができました。「第九講」は「二つの世界戦争のあいだ」。実はここで、現代の中東に関わる大きな問題が起きていたんですねえ・・・。佐藤優さんが、「現代は、また『帝国主義』の時代」と言っているのも、分かるような気がするなあ。
「第十講」の「資本と大衆の時代」もためになった。赤線を「引きまくり」、書き込みも「しまくり」です。まるで「ノート」のようになってしまった、この本。
1か所誤植も見つけてしまいました。
×「私服を肥やす」→○「私腹を肥やす」
この本は「第2刷」なんだから、「第1刷」で気付いて直してほしかったです。
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