新・ことば事情
5671「インターネット上に公開か?インターネット上で公開か?」
(これは1月28日に書き始めたものです。書き終わる前に、後藤さん殺害のニュースが流れました。誠に残念です。)
イスラム過激派組織「イスラム国」の人質となっているフリージャーナリストの後藤健二さんとみられる男性からの2度目のメッセージが、日本時間の1月27日の深夜(28日未明)のインターネット上で公開されました。
これを報じた各局のテレビ画面の左か右の上に、
「インターネット上に公開された映像」
というスーパーが出ていました。『ミヤネ屋』でも、そういう発注が来ましたが、この中の「助詞『に』」
が気になりました。私は、
「インターネット上『で』公開された映像」
ではないかと考えるのです。「に」と「で」の違いは、どこにあるのか?考えました。
*「に」=公開する「場」
*「で」=公開する「方法」「手段」
どちらも間違いではないのですが、いずれにせよ、ここで出て来るのは「インターネット」という「メディア」ですね。「メディア」は公開するための「方法」であり、公開される「場」でもあります。
ですから、「に」を使うか「で」を使うかは、「方法」を重視するか、「場」を重視するかによって変わって来ます。そして「場」と「方法」「手段」は、
*「場」=「結果」
*「方法」=「過程」
だと思います。
その辺りの判断の違いで、助詞の選び方も変わってくるのではないでしょうか。