新・ことば事情
5651「雨が道路に たたきつけています」
1月15日の正午のNHKニュースを見ていたら、アナウンサーがこんな原稿を読んでいました。
「雨が道路に たたきつけています」
それを聞いて「おやっ?」と思いました。雨が「何を」道路にたたきつけているのかな?
これは、助詞の使い方がおかしいのではないか?
「道路に」とすると「たたきつける『目的語』」が必要なはずです。でも目的語は「雨」なんです。そうすると「雨が」という主語の「が」を取るべきではないんですね。「主語」になるのなら、目的語が「を」なんです。「道路を」となるはずです。つまり、
ここは「道路"に"」ではなく「道路"を"」でとなって、
「雨が道路"を"たたきつけています」
なのではないでしょうか?
もちろん、そのほかにも「別の表現」の可能性もあります。
「雨が道路"に"たたきつけられています」
「雨が道路"に"たたきつけるように降っています」
「雨がその雨粒を 道路にたたきつけています」
でもいいかなと思います。
最近「助詞の使い方」が、私の常識とは違う形で使われていることが多く、そのたびに直してはいるのですが、余りにもその数が多く、
「これはもしかしたら、時代の流れによる『ことばの変化』ではないのか?」
と感じざるを得ない今日この頃です。