新・ことば事情
5647「いんじゃん」
関西で「じゃんけん」のことを、
「いんじゃん」
と言います。この「語源」は何かわかりませんでしたが、先日、講談社の『本』(2014年8月号)という雑誌を読んでいたら、「これかな?」というものを見つけました。『本』の中の高島俊男さんのエッセイ「漢字雑談53 明治初めの訳語」を読んでいたら、久米邦武『米欧回覧実記』(現在、岩波文庫)に出て来る明治初期の訳語を紹介していました。そこに、「コロンボス」がアメリカを見つけたことについて、こんな一文があったのです。
「竟(つい)ニ亜墨利加ノ洲土ヲ発明シタレハ、此コソ印度(イント)ナリト思ヒ、因テ其人民ヲ『インヂヤン』ト名ツケタリ」
この最後に出て来る、
「インジヤン」
というのを見て「あっ!」と思ったのです。
「じゃんけんの意味の『いんじゃん』は、この『インヂヤン』、つまり『インディアン』のことではないか?理由は『インディアン、うそつかない』から『じゃんけんをするにあたって、ウソのない真剣勝負をする』という『誓いの言葉』なのではないか?」
と思いついたのです。
この説ってどうでしょうか?あまり見かけたことはないのですが。