新・ことば事情
5634「開腹手術」
群馬大学病院で肝臓の腹腔鏡手術を受けた患者8人が死亡したというニュース、1月13日のNHKのお昼ニュースを見ていたら、こういうふうに原稿を読んでいました。
「腹部を開いて行う"開腹手術"」
これはおそらく、単に、
「開腹(カイフク)手術」
という言い方をすると、「同音異義語」の、
「回復」「快復」
と紛らわしいからではないでしょうか。だから、
「『カイフク』とは『腹部を開いて行う手術」である』
ると(少し回りくどいですが)説明を付けたのでしょう。
原稿が最初からそうなっていたのか、アナウンサーがそのように手を入れたのかはわかりませんが、これは丁寧な作業だなあと思いました。
専門用語だからと言って、書かれた文字で同音語が多い言葉をそのまま使うと、誤解を生じやすい、ということをよく分かっているなと思いました。