新・ことば事情
5630「子ども向けの歌が流行る理由は・・・」
去年(2014年)流行った(らしい)ものに、
「妖怪ウオッチ」
というアニメがあります。(他局ですが。)踊り(振付)付きの歌も流行ったみたいですね。
なんでこんな子ども向けの曲が、大人も巻き込んで世の中全体で流行ったんだろう?と思った時に、
「過去にも、子ども向けの曲が流行したことがあったな」
と思い出しました。一番印象深いのは、
「おどるポンポコリン」
ですね。「BBクイーンズ」。ボーカルの女性・坪倉唯子さんは、高校の1年後輩です!と、とても誇りに思ったのを思い出しました。これが「1990年」。「湾岸戦争」が始まった年です。(地上戦は1991年1月17日)。この曲は「ちびまる子ちゃん」の主題歌ですよね。(他局ですが。)そういえば、去年は「E-girls」がこの曲をカバーして、「ちびまる子ちゃん」の主題歌として歌っているのを耳にしたことがあります。
少し前だと、
「マル・マル・モリ・モリ」
がありましたね。(他局ですが。)これは「東日本大震災」直後の「2011年(4月)」です。その前は、宮崎駿監督のアニメ映画の主題歌、
「崖の上のポニョ」
もありましたね。私は「腹の上にポニョ」、贅肉がありますが。あれが「2008年」。
もっと、さかのぼってみましょうか。過去最大のヒット曲とも言われる
「およげ!たいやきくん」
が「1975年」。そのあと少し流行った、
「山口さんちのツトム君」
が翌年「1976年」でした。
もっとさかのぼると、
「黒ネコのタンゴ」
があります。皆川おさむ君の歌で「1969年」の曲です。B面は小さな女の子の歌う、
「ニッキ・ニャッキ・ムッキ・ムッキ」
という呪文の曲だったなあ。え、知らない?そうでしょうねえ。
こういった「子ども歌う曲」が大人にも流行る「時代背景」には、何があるのか?
それぞれの曲が「はやった年」について古い順に思い起こしてみると、
【出来事】 【首相】 【米大統領】
「1969年」 アポロ11号月面着陸 佐藤栄作 (民)ジョンソン
70年安保 (共)ニクソン
「1975年」 ベトナム戦争終結 三木武夫 (共)フォード
沖縄海洋博 →福田赴夫(12月24日就任)
日本赤軍クアラルンプール大使館占拠
「1976年」 周恩来・毛沢東死去 福田赴夫 (共)フォード
ロッキード事件
「1990年」 (前年=ベルリンの壁崩壊) 海部俊樹(共)ブッシュ
湾岸戦争
「2008年」リ-マン・ショック 福田康夫・麻生太郎
(共)ブッシュJr.
「2011年」 東日本大震災 菅直人 (民)オバマ
「2014年」 消費税率8% 安倍晋三 (民)オバマ
思うに、
「大人の言葉では言えない鬱憤・不満を、子どもの口を借りて言わせているのではないか?」
不況?閉塞感?そんなものがあるのではないかなと推測しました。
この話を、読売テレビの高岡解説委員にぶつけてみたら、
「『不況』というだけが要因ではないですね。というのは、『1990年から2008年』までの間って、子どもの歌が抜けてるじゃないですか。この間は正に『バブル崩壊』後の『失われた20年』でしょ。ずっと不況ですよ。それよりやはり『閉塞感』、これね。」
「そうか、たしかに。あ、それと『消費税』増税はどうだろうか?1989年に消費税(3%)が導入されて、1997年に『5%』に上がり、そして2014年に『8%』になったけど。」
「消費税が5%に上がった1997年のところでは、何もないなあ・・・」
あ、あった!
「だんご3兄弟」
というのも、流行りましたね。あれは調べると「1999年」です。時代背景は、
「1999年」不審船、国内初臨界事故 小渕恵三(民)クリントン
でした。やはり、
「閉塞感」「社旗への不満・やるせなさ」
というものが「子どもの歌に向かう」という見方は、ちょっと当たっているのではないかなという気がしました。