新・読書日記 2014_190
『この世に命を授かりもうして』(酒井雄哉、幻冬舎ルネッサンス新書:2013、10、30第1刷・2014、3、15第7刷)
酒井雄哉師は、比叡山延暦寺に伝わる天台宗独特の荒行で、4年間かけて7万キロを歩く難行「千日回峰行」を、生涯に「二度」満行した。2013年9月23日に87歳で他界されたが、その直前の2013年9月上旬に、2度にわたって行われたインタビューをまとめたもの。先日亡くなった俳優の高倉健さんも、酒井師の言葉に聞き入ったことがあるという。味わい深い言葉の中から、いくつかピックアップ。
「悪いこともいいことも、みんな自然の中にある」
「ガンよ、死ぬときは一緒に死にましょう」
「命は『無始無終』」
「人生はなるようにしかならない」
「生き延びてるのには『生き残されている』理由がある」
「自分でも気づかぬところに『因縁』がある」
「人は何歳からでも生まれ変われる」
「めぐり合わせが『ご縁』なんだよ」
「縁を『結ぶ』かどうかはその人次第」
「苦しいことの中に『楽』を見出す」
「ひとりの時間、自分の視点を持つ」
「別れは必ず訪れる」
「命の長さよりもどう生きたかが大事」
「生きてることを楽しみなさい」
というように「目次」の言葉を並べたら、なんだか、
『あいだみつを』
みたいになっちゃったなあ。人間だもの。
「千日回峰行」を二度も成し遂げた酒井師によると、「『峰』と『峯』の違い」は、
*「峰」=わりとなだらかな山々が連なっている
*「峯」=峰の上にまだ高くて険しい山がある
という違いがあると考えていると。「比叡山」は「峰」だが、吉野の「大峯山」は「峯」だという。木曽の「御嶽山」も。だから「回峰」と「回峯」があるんだそうです。
勉強になりました!
※「2014年」は、久々に「年間200冊」は読めず、「190冊」どまりでした。