新・ことば事情
5612「愛息子」
「ミヤネ屋」のスーパーをチェックしていたら、こんな発注が。
「愛息子」
うん?「まなむすこ」?・・・聞いたこと、ないなあ。
「愛娘(まなむすめ)」
はあっても「愛息子(まなむすこ)」はないですね。その意味の言葉で言うならば、「子」は取って、
「愛息」
はありますね。「あいそく」と読みますが。
辞書を引いてみると、「広辞苑」「精選版日本国語大辞典」「デジタル大辞泉」「明鏡国語辞典」「新明解国語辞典」「岩波国語辞典」「新潮現代国語辞典」には「愛息子」は載っていませんでした。
結局、放送では「愛」をはずして、
「息子」
とシンプルにしました。「愛息」はどっちかというと「書き言葉」っぽいですからね。
一応グーグル検索(12月15日)。
「愛娘」=138万0000件
「愛息子」=36万8000件
「愛息」 =35万8000件
意外とネットでは「愛息子」が出て来ましたね。
それにしても、なぜ「愛娘」はあって「愛息子」はないのか?
思うに、「娘」は「愛でる」対象であるが、「息子」は「愛でる」対象ではないということでしょうか。とはいえ「愛息」という言葉はあるから、それは成り立たないか。
あ、そもそも「愛息」という言葉があったので、同じ意味で「愛息子」というのが出て来なかった、というのはどうでしょうか?
それが「音読み」で漢語っぽい「愛息」はなじまないので、「むすめ=むすこ」という対応から「まな娘=まな息子」という対応で、「愛息子」が生まれて来たという解釈は、いかがでしょうか?たぶん、これが正解だな。
でも「愛息子」は、放送では・・・「ミヤネ屋」では使いません!