新・ことば事情
5611「自衛隊大阪地方協力本部」
12月10日の読売テレビのお昼のニュースで、
「自衛隊大阪地方協力本部」
に勤務する自衛官が暴力をふるって逮捕されたというニュースを放送していました。
そのニュースの「大阪地方協力本部」の部分をTアナウンサーが、
「オ/オサカチ\ホー・キョ/ーリョクホ\ンブ」
と読んだのに違和感がありました。これだと、
「大阪地方・協力本部」
と区切って読んだ感じになります。しかし、皆さん、
「大阪地方」
って、聞いたことがありますか?「近畿地方」「関西地方」ならば聞いたことがありますが。おそらくこれは、
「地方協力本部」
というのが自衛隊にあって、その「大阪支部」的なものなのでしょう。
調べてみると「ビンゴ!」でした。各都道府県に「地方協力本部」があるのです(北海道は、4つの地域に分けてあります。)そう考えると、発音は、
「オ/オサカ・チ/ホー\・キョ/ーリョクホ\ンブ」
となり、意味の区切りは、
「大阪・地方協力本部」
なのではないでしょうか?
似たようなものには、
「大阪地方裁判所」
が挙げられます。これはもちろん、
「大阪地方・裁判所(オ/ーサカチ\ホー・サ/イバンショ)」
ではなく、
「大阪・地方裁判所(オ/ーサカ・チ/ホーサイバンショ)」
ですよね。それと同じようなことですね。
これは「大阪地方」という言い方がないので普通は気付くのですが、これが「近畿地方」だと、より判断が難しくなります。例えば、国土交通省の、
「近畿地方整備局」
の読み方は正しくは、
「近畿・地方整備局(キ/ンキ・チ/ホーセービ\キョク)」
ですが、「近畿地方」をひとことで言って、
「近畿地方・整備局(キ/ンキチ\ホー・セ/ービ\キョク)」
と間違ってしまいがちなので、注意が必要です。