新・ことば事情
5589「不信と不安」
11月4日(現地時間)アメリカのオバマ大統領の民主党が、中間選挙で敗北した原因として挙げられているのが、
「不信と不安」
だそうです。いわく、「公約の実現ができていないこと」、「エボラ出血熱や『イスラム国』問題への対応が遅れたこと」に対して、「不信と不安」が生まれたのだそうです。
それを見て思ったのは、食品偽装事件や建築偽装事件等のときによく出て来た
「安全と安心」
という言葉でした。「安全」を確保するために努力するのは、どんな仕事でも当然だと思いますが、「安心」のほうは、たとえ「安全」が確認されてもすぐに達成できるとは限りません。「安全」を続けた実績があって初めて「安心」は醸成されます。
それと同じように考えると、「公約の達成がされない」という具体的な事実が「不信」につながり、その「不信」を土壌として「不安」が広がるのではないでしょうか?
まずは「不信」を取り除く努力を重ねることが、やがては「不安」を解消することにつながるのではないか?と考えます。
これは、何もオバマ大統領に限った話ではないと思います。