新・ことば事情
5577「箸上げ」
先月「ミヤネ屋」で、川田裕美アナウンサーが遅めの夏休みを取った間、系列各局の女性アナウンサーが「ピンチヒッター」を務めるという企画があり、各曜日担当アナウンサーの「特技」等を紹介したことがありました。
その中の、あるアナウンサーが挙げていた「特技」に、
「箸上げ」
というものがありました。あまり聞いたことがないのですが、どうやら、グルメロケなどで、カメラで食べ物をアップで撮影する際に、お箸で食べ物をつまんで持ち上げることを「箸上げ」と言うようです。
彼女はその際に、お箸がプルプル震えないように持ち上げることができるとして「特技」に挙げていたのでした。
昔、そういうロケに行った時には「箸上げ」なる言葉は聞いたことがなかったのですが、最近の業界用語ではそう言うのでしょうかね?
「箸の上げ下ろし」
という言葉は聞いたことがありますけど。
『精選版日本国語大辞典』『広辞苑』『明鏡国語辞典』『デジタル大辞泉』『新明解国語辞典』『三省堂国語辞典』『岩波国語辞典』『現代用語の基礎知識2014』には、「箸上げ」は載っていません。グーグル検索してみると(10月16日)、
「箸上げ」=1万3600件
出て来ました。「ネット蕎麦辞書」というサイトには、
「箸上げ」=料理を箸ではさんで持ち上げている映像のこと。広告写真やテレビのグルメ番組などで、よくつかわれる。
また「加納」さんという人が書かれている「AD日記」というサイトの中には、
「箸上げとは料理を箸であげて、特徴的なところをピックアップして見せたり、 断面をアップに見せたり、より料理を視聴者にみせる方法です」
と記されていました。やはり「テレビ業界・広告業界用語」のようですね。