新・ことば事情
5566「御嶽山のアクセント」
9月27日に噴火し、多くの人の命を奪った「御嶽山」。このアクセントは、
(1)「オ/ンタ\ケサン」
(2)「オ/ンタケ\サン」
のどちらでしょうか?
「御嶽山」になじみの深い中部地方や関西のアナウンサー地元のアナウンサーは、きっと、(1)「オ/ンタ\ケサン」
だと思います。私も(1)「オ/ンタ\ケサン」です。
しかし、ニュースなどでよく耳を澄まして聞いていると、
(10月7日)
NHK 高瀬耕造アナウンサー (2)「オ/ンタケ\サン」(正午のニュース)
日本テレビ 藤井貴彦アナウンサー (2)「オ/ンタケ\サン」(news every.)
でした。読売テレビアナウンス部で聞いてみたところ、
萩原アナウンサー(1)「オ/ンタ\ケサン」
植村アナウンサー(1)「オ/ンタ\ケサン」
と、ベテランアナウンサーは(1)だったのに対して、
五十嵐アナウンサー(2)「オ/ンタケ\サン」
山本アナウンサー (2)「オ/ンタケ\サン」
増井アナウンサー (2)「オ/ンタケ\サン」
と、若手アナウンサーは、(2)「オ/ンタケ\サン」でした。
夜の7時のニュースで、NHKのベテラン・武田アナウンサーは、
(1)「オ/ンタ\ケサン」
でした。
翌10月8日、テレビ朝日「ワイド・スクランブル」の大下容子アナウンサーは、
(1)「オ/ンタ\ケサン」
また、前日は(2)で読んでいたNHKの高瀬アナウンサーもこの日は、
(1)「オ/ンタ\ケサン」
でした。読売テレビの番組では、宮根さんは「ミヤネ屋」で、
(2)「オ/ンタケ\サン」(10月8日「ミヤネ屋」)
しかし、男性ナレーターの藤田さんは、
(1)「オ/ンタ\ケサン」(10月8日「ミヤネ屋」)
でした。
傾向としては、ベテランが(1)で、若手が(2)のような気がします。
そんな中で、御嶽山の地元・長野県出身の五十嵐アナウンサーは、
「普段は『御嶽山』とは言わずに、『御嶽』ですね。アクセントは『頭高アクセント』で『オ\ンタケ』です。長根県民歌の『信濃の国』の2番の歌詞にも、『御嶽』は出て来ます!」
とのこと。
また、「御嶽山」になじみが深いという、静岡県出身の萩原アナウンサーも、
「ふだんは『御嶽山』ではなく『御嶽(オ\ンタケ)』と言いますねえ」
とのこと。私も「御嶽(オ\ンタケ)」とも言いますねえ。
普通、「○○○山(サン)」という時のアクセントは、
「高野山(コ/-ヤ\サン)」「高尾山(タ/カオ\サン)」「岩手山(イ/ワテ\サン)」「岩木山(イ/ワキ\サン)」「阿蘇山(ア/ソ\サン)」
のように、「山(サン)」の前でアクセントが下がって来ます。それが(2)のアクセントパターンですね。しかし、それではなぜ、(1)のパターンもあるのか?考えてみました。
ピンポーン!ここでハタと思いつきました。
もしかしたら、「御嶽山」になじみの深い人は「御嶽(オ\ンタケ)」と呼ぶが、それに「親しみ」と「敬いの気持ち」を込めて、
「敬称の『さん』」
を付けて、
「御嶽さん」
と呼ぶのではないか?そういう人は、それが「山(サン)」が付いたときに、「敬称の『さん』」と同じアクセントで、
(1)オ/ンタ\ケサン
となっているのではないでしょうか?
10月9日の日本テレビ・お昼のニュ-ス(「ストレイトニュース」)で、森富美アナウンサーと、現地から中継していたテレビ信州の松沢記者は、
(2)「オ/ンタケ\サン」
でした。
今後もしばらくは「御嶽山」のアクセント、注意して聴いてみたいと思います。
(2014、10、9)
(追記)
10月10日のテレビ朝日「ワイドスクランブル」で、大下容子アナウンサーは、8日とは違って、
(2)「オ/ンタケ\サン」
でした。現地からの中継の倉橋友和アナウンサーも、橋本大二郎キャスターも、
(2)「オ/ンタケ\サン」
でしたが、VTRの男性ナレーターと、現地の王滝村のヘリポートとなっている公園から中継していた女性アナウンサーは、
(1)「オ/ンタ\ケサン」
でした。同じテレビ朝日のお昼のニュースの平石直之アナウンサーと、現地・王滝村から中継リポートした、長野朝日放送(abn)のヘルメットをかぶった男性記者は、
(2)「オ/ンタケ\サン」
でした。
(2014、10、10)
(追記2)
10月12日のお昼のニュース。
日本テレビ・豊田順子アナウンサー、フジテレビの女性アナウンサーとも、
(2)「オ/ンタケ\サン」
でした。
(2014、10、13)
(追記3)
10月13日の「ミヤネ屋」で御嶽山の麓、長野・王滝村から中継をした、テレビ信州の男性アナウンサーは、
(1)「オ/ンタ\ケサン」
と発音していました。
(2014、10、13)
(追記4)
10月15日のお昼のテレビ朝日のニュースで、現地から中継していたANN取材団の長野朝日放送・松坂彰久アナウンサー(1957年生まれ)は、
(1)「オ/ンタ\ケサン」
でしたが、続いて中継した、同じくANN取材団で長野朝日放送の山岡秀喜アナウンサー(1987年生まれ)は、1回目は、
(1)「オ/ンタ\ケサン」
2回目と3回目は、
(2)「オ/ンタケ\サン」
と混在していました。
(2014、10、15)
(追記5)
10月16日のお昼の日本テレビ「ストレイトニュース」で、矢島学アナウンサーは、
(1)「オ/ンタ\ケサン」
と読んでいました。それを受けた中継先のテレビ信州・松沢亮記者も、1回目は、
(1)「オ/ンタ\ケサン」
でしたが、2回目・3回目は、
(2)「オ/ンタケ\サン」
でした。また、同じく、テレビ朝日のお昼のニュースで、現地から中継していたANN取材団・長野朝日放送(abn)の山岡秀喜アナウンサーは、きょうは、
(2)「オ/ンタケ\サン」
でした。(きのうは、混在していましたが。)
(2014、10、16)