新・読書日記 2014_140
『シャイロックの子供たち』(池井戸潤、文春文庫:2008、11、10第1刷・2013、8、1第18刷)
単行本は2006年に出ている。文庫本も6年前に出ている。その後「18刷」!!ロングセラーですね。
元銀行員の池井戸さんの本領が発揮される「銀行員もの」。「倍返し」は出て来ない。なかなか「倍返し」なんて出来ないんですよ、ふつうの銀行員は。本当に「堪えがたきを堪え、忍びがたきを忍ぶ」。そうして出世する・・・かと思うと、そうは問屋が卸さない。思わぬ落とし穴があって・・・という、かなりニヒリズムに支配された内容。最後に「大どんでん返し」も・・・え?どうなるの?と期待して最後まで読んでくださいね!
そうそう、もちろん「シャイロック」と言えば「ベニスの商人」=「金貸し」ですね。「銀行員」は「シャイロックの子供たち=子孫」だと。メロスは怒りますよね。
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