新・読書日記 2014_129
『5年後、メディアは稼げるか』(佐々木紀彦、東洋経済新報社:2013、8、1第1刷・2013、9、20第3刷)
1979年生まれの著者は「典型的なアナログ人間」で、2002年に東洋経済新報社に入社して以来、ずっと「紙」の雑誌に携わってきた。しかし、去年1月からビジネスサイト「東洋経済オンライン」の編集長に就任して、わずか4か月で月間5301万ページビューに到達。その著者が言うには、タイトルのように「これから5年で、日本のメディア業界が激変する」とのこと。で、この(紙の)本が出てから、もうちょうど1年(「積んどく」状態だったので)経ってしまった。まだそれほど大きな動きは見られないが、恐らく今、その動きは水面下でどんどん進んでいることだろう。
いくつか言葉を抜き出してみると、
「ウェブは感情、紙は理性」「タイトルが10倍重要」「速報よりも、クオリティの高い第2報」「余韻より断言、建前より本音」「一貫性より多様性」「集団より個人」「本は紙のまま残る」など。米国のメディアは生き残れているのか?については、やはり雑誌は「紙」では残りにくい。無料ではなく「有料」でネットで販売するが、ある程度の情報までは無料でそれ以上読みたい人には有料にするパターンで「フィナンシャル・タイムズ」「ニューヨーク・タイムズ」は生き残りに成功していると。うーん、ビッグネームで、かつ内容も伴わないと難しいんだろうなあ。勉強になりました。1年遅れだけど。
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