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『道浦TIME』

新・読書日記 2014_125

『たった一人の生還~「たか号」漂流二十七日間の闘い』(佐野三治、ヤマケイ文庫:2014、1、5)

 

もう20年以上昔になるが、数回・・・十数回ぐらいか、ヨットに乗ったことがある。私は海の男ではないので、それほど"爽快"とは思えず、"つらい""海はこわい"と感じていた。よくタッキング(ヨットの帆の向きを変えること)の時に、回ってきたブームで頭を打った。向いていないのだ、私は。そう、たぶん例の「ヨットスクール」に入れられた子どもの気持ちは、こんな風ではなかったか?という感じ。だから、好んでヨットレースに参加するヨットマンの気持ちは、理解できない。プロはプロ。我々は全くの素人、別の世界の人。そう思っている。

しかし極限状態に置かれた人が、どうやって生還したのかという記録には興味がある。27日間、ほとんど食料も水もない中で、どうやって生き延びたのか?私より1歳年上の著者が、今から22年前にこのような奇跡の生還をしていたということも知らなかった。ヨットマンでは、有名な出来事らしいが。

読んで感じたこと。

大自然の中では、ちょっとしたミスが人間の命を奪う。人間は自然を完全にコントロールすることは出来ない。少し利用するだけである。また命があるかないかというのは、ほんの少しの幸運、神様の気まぐれでしかないということ。

この本は昨年末、ある先輩からもらった。その先輩はヨットマンで、この本の「解説」を書いている。そして昨年、著者と同じようにヨットに乗って太平洋に乗り出したものの、クジラにぶつかられてヨットは沈没、遭難した。しかし幸運にも、その日のうちに救助された。その先輩の名は、「辛坊治郎」という。


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(2014、8、19読了)

2014年9月12日 18:06 | コメント (0)