新・読書日記 2014_114
『詐欺の帝王』(溝口敦、文春新書:2014、6、20第1刷・2014、7、5第2刷)
「半グレ」などの言葉も生み出した、闇の組織のルポを手掛けているノンフィクションライター・フリージャーナリストの溝口敦さんの新著。
「オレオレ詐欺」「未公開株勧誘」「ヤミ金」などの業界の頂点を極め。「オレオレ詐欺の帝王」と呼ばれた男へのインタビューに成功したと言う。30代後半、身長178センチ。弁舌は爽やかで、暴力臭はまるでなく、知的に諄々と説得していくタイプ。頭は非常に切れ、カタギのどんな仕事をしてもきちんとこなしていくだろうと、著者はみた。事実、なんと大学卒業後に大手広告会社に5年在籍したと言うのだ!
うーん、意外と身近にいる人物かもしれない。それがなぜ、こんな仕事に手を染めたのか。どういうカラクリだったのか・・・それは本書を読んでほしい。
結局、詐欺のターゲットとなってしまう人たちは、
「儲けたい」「勝ちたい」「隠したい」
という強い欲求を持っていて、そこに闇人間は、巧みに付け込んで来るということだ・・・。
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