新・読書日記 2014_109
『(株)貧困大国アメリカ』(堤未果、岩波新書:2013、6、27)
ことしの夏休みに読んだ6冊の内の1冊。去年の今頃に出てすぐに買って、読みさしのままほうっておいたもの。『ルポ貧困社会アメリカ』『同 Ⅱ』に続くシリーズ完結編。
第1作『ルポ 貧困社会アメリカ』は、「日本エッセイストクラブ賞」と「新書大賞2009」を受賞した。これまでの「貧困大国アメリカ」に「(株)」が付いたのは、アメリカの巨大な「株式会社=民間企業」が、「世界企業」として、全世界を支配しようとしている様を描いているから。と、こう書くと「悪の組織」「陰謀」という言葉がイメージさせるが、実は「グローバル化=アメリカ化=新自由主義」を究めようとしているだけともいえる。しかしそれが招く世界の実態は、思わぬ弊害も出て来る。おそらくそれは「世界企業側」も想像しなかった事態に・・・というような警鐘を鳴らす一冊。
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