新・ことば事情
5519「公司」
今回明らかになった、中国の食品工場での(日本から見ると)非常識な衛生管理。
この10年程の間に数々のずさんな食品管理を見続けて来た日本人にとっては、
「またか」
という思いがあります。その、上海の会社の名前ですが、
「上海福喜食品有限公司」
という名前で、この中の、
「公司」
について、7月22日の日本テレビ『ニュースZERO』では、
「こうし」
とナレーターさんは読んでいましたし、原稿にも「こうし」とルビが振ってありました。それを見た「ミヤネ屋」のディレクターが、原稿に「こうし」とルビを振って来たのですが、これは違います!
「コンス」
と「中国語読み」をするのです。
実は私も以前は「こうし」だと思っていたのですが、『新聞用語集2007年版』の中の「放送で標準とする読み方例」の作成の際に、中国語などにも詳しい用語委員の声を聞くと、
「コンス」
だということで、「放送で標準とする読み方例」では、
「公司(中国語)=コンス」
となった経緯がありました。
また、この言葉が頻繁に使われる長崎県のテレビ局「長崎国際テレビ」に長く勤務していた「ミヤネ屋」の藤村幸司リポーターによると、
「長崎では、全部『コンス』でしたねえ」
ということだったので、この言葉をよく使う所では、やはり
「コンス」
なのでしょう。それに従って、7月23日の「ミヤネ屋」では、
「コンス」
で放送しました。