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『道浦TIME』

新・ことば事情

5499「ロケット砲か?ロケット弾か?」

 

2014年7月2日の朝、北朝鮮が日本海に向け元山(ウォンサン)から発射したものの呼び方が、新聞によって違いました。7月2日の各紙夕刊によると、

(見出し)    (本文)

(読売)ロケット弾? (多連装ロケット弾とみられる2発)

(朝日)ロケット   (ロケット弾2発)

(毎日)物体      (短距離ミサイルのような物体2発)

(産経)ロケット砲   (短距離法とみられる物体2発)(300ミリロケット砲とみられ)

(日経)発射体    (短距離の発射体2発)

となっていました。またこの日のお昼のNHKニュースでは、日経新聞と同じ、

(NHK)発射体

という表現でした。「ミヤネ屋」では、日本テレビの表記にならって、

「ロケット砲」

としましたが、本来「ロケット砲」の「砲」は「大砲」と同じように、

「発射装置の『筒』」

であって、それによって発射されるものは、

「ロケット弾」

ではないか?という疑問が出ました。実は、

「何が発射されたのか?」

がきっちり確定確認されていないので、例えば毎日新聞の、

「物体」

というような、

「絶対に間違いがないが、一体、何なんだ!?」

というような表現も出て来ているのだと思います。先っちょに爆弾や火薬が付いていれば、

「『ミサイル』とか『弾』」

という表現もできるんでしょうが、そのあたりが確認されてなくて、

「何か、空を飛ぶ物を打ち出した」

という所までしか確認されていないと。

その昔は、

「飛翔体」

という聞き慣れない表現もありました。今、検索したら、

「平成ことば事情2597飛翔体」

で「2006年7月10日」に書いていました。その冒頭をコピペすると、

「7月5日未明から、北朝鮮が7発のミサイルを日本海に発射しました。これを受けての安倍晋三官房長官のコメントの中に、『何らかのヒショータイが発射された』というのがありました。

なんと!8年前にも北朝鮮は何か打っていて、その時のコメントを発表したのは、当時の

「安倍晋三官房長官」

だったとは!因縁めいたものを感じますね。

(2014、7、3)

2014年7月 3日 11:28 | コメント (0)