新・ことば事情
5485「『って』と『て』」
以前、用語懇談会の懇親会の席で、たしか毎日新聞の人から質問を受けました。
「いつも道浦さんの『平成ことば事情』を読ませていただいていますが、その文章の中で『って』と『て』の区別はどうされているのでしょうか?」
うーん、全然意識してなかったなあ。"その時の気分で"というような使い分けでしたが。自分では気付かないものなんですよね。
でもその後、その使い分けが気になって、心のどこかにひっかかっていたのですが、ある日ハタと気付きました。
「『って』は『引用強調』、『て』は『という』のかわりの短くしたやつ。リズムによって使い分ける。」
ということのようです。答えになっているような、いないような。
本来は「って」を使うほうが、
「話し言葉の表記」
としては正しいのでしょうが、「って」が続くと「うっとうしい気」もするんですよね。そこでもう少し書き言葉的な、
「と(いう)」
にしてみたり、
「小さい『っ』を取って、単なる『て』にしてみたりする」
ことで、リズムを変えているのではないかなあと思いました。