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『道浦TIME』

新・ことば事情

5480「レッツゴーする」

 

曽野綾子さんの『風通しのいい生き方』(新潮新書)の中の157ページに、曽野さんがタンカーに乗せてもらった時に「船の隠語」を学んだという話が載っていました。

たとえば、船の上では「話をする」ことを「肩を振る」と言い、「上陸する」のは「ゴーショウ」「外出着」のことは「ゴーショウ着」。石炭を焚いて走るレシプロ・エンジンの古い船の石炭をくべる「石炭夫」(これも「死語」ですねえ)は「コロッパス」と言っていたそうです。

また、当時はゴミを、焼いたり持ち帰ったりせず、

「海に投棄していた」

そうで、そのことは、

「レッツゴーする」

と言っていたそうです。曽野さんはそれを、

「英語の『レット・イット・ゴー』からきたものではないか」

と書いています。おお、今をときめく、『レット・イット・ゴー』と言えば『アナ雪』こと、『アナと雪の女王』の大ヒットしている主題歌ではないですか!ただし今、我々はこのタイトルを、

「レリゴー」

と言っていますが。もし、今も船がゴミを海洋投棄をしていたら、「レッツゴーする」ではなく、

「レリゴーする」

と言っていたのかもしれませんね。いま「レリゴーする」と言えば、

「カラオケに行く」

ことでしょうか?

(2014、6、11)

2014年6月12日 15:52 | コメント (0)