新・ことば事情
5480「レッツゴーする」
曽野綾子さんの『風通しのいい生き方』(新潮新書)の中の157ページに、曽野さんがタンカーに乗せてもらった時に「船の隠語」を学んだという話が載っていました。
たとえば、船の上では「話をする」ことを「肩を振る」と言い、「上陸する」のは「ゴーショウ」、「外出着」のことは「ゴーショウ着」。石炭を焚いて走るレシプロ・エンジンの古い船の石炭をくべる「石炭夫」(これも「死語」ですねえ)は「コロッパス」と言っていたそうです。
また、当時はゴミを、焼いたり持ち帰ったりせず、
「海に投棄していた」
そうで、そのことは、
「レッツゴーする」
と言っていたそうです。曽野さんはそれを、
「英語の『レット・イット・ゴー』からきたものではないか」
と書いています。おお、今をときめく、『レット・イット・ゴー』と言えば『アナ雪』こと、『アナと雪の女王』の大ヒットしている主題歌ではないですか!ただし今、我々はこのタイトルを、
「レリゴー」
と言っていますが。もし、今も船がゴミを海洋投棄をしていたら、「レッツゴーする」ではなく、
「レリゴーする」
と言っていたのかもしれませんね。いま「レリゴーする」と言えば、
「カラオケに行く」
ことでしょうか?