新・読書日記 2014_080
『メディアの苦悩~28人の証言』(長澤秀行編著、光文社新書:2014、5、20)
著者は1954年生まれ。元・電通デジタル・ビジネス局局長。電通では、30年以上にわたり、メディアと関わって来た。最初の15年は新聞広告、その後、ネット創成記の各新聞社のネットニュース事業の立ち上げにも携わったという。その意味で「古いメディアと新しいメディア」の狭間で、その両方を実地で見て来た人だと言える。
その著者が、メディア関係の現場の人たち28人に話を聞いていくインタビュー集。
登場するのは、
(1) 徳力基彦(ブロガー)
(2) 中川淳一郎(ネットニュース編集者)
(3) 木村伊量(旭新聞社長)
(4) 白石與二郎(読売新聞グループ社長)
(5) 野村裕知(日経新聞常務)
(6) 長田公平(日経BP社長)
(7) 夏野剛(慶応義塾大学特別招聘教授)
(8) 伊東儀雄(ヤフー・ニュース編集責任者)
(9) 大元隆志(ITビジネスアナリスト)
(10)川邊健太郎(ヤフー副社長)
(11)藤村厚夫(スマートニュース執行役員)
(12)亀山千広(フジテレビ社長)
(13)川上量生(ドワンゴ会長)
(14)氏家夏彦(TBSメディア総研社長)
といったネットニュース関係者から国内大手マスコミである新聞社テレビ局などのトップ、そして海外のネットマスコミである、ハフィントンポスト創設者で会長・社長兼編集長の
(15)アリアナ・ハフィントン(ハフィントンポスト創設者で会長・社長兼編集長)
(16)松浦茂樹(ハフィントン・ポスト日本版編集長)
ソーシャルメディア関連では、
(17)近藤正晃ジェームス(ツイッタージャパン会長)
(18)笠原健治(ミクシー会長)
(19)津田大介(ジャーナリストでメディア・アクティビスト)
(20)ふるまいよしこ(中国情勢に詳しいフリーランスライター)
(21)東浩紀(思想家)
広告側・スポンサーサイドから、
(22)大島茂(大和ハウス工業総合宣伝部第一事業販促室長)
(23)やまもといちろう(ブロガー・実業家)
(24)新澤明男(サイバー・コミュニケーションズ社長)
(25)森隆一(元・電通副社長)
そして、
(26)田端信太郎(LINEの法人ビジネス担当役員)
(27)橋元良明・東京大学大学院教授
(28)菅谷明子(メディアリテラシーや図書館などに詳しいジャーナリス)
という錚々たる面々、若い人から年配の人たちまで、古いメディアから最先端のメディアまでを担っている現場の人たちの意見を拾い上げ、これから「メディア」がビジネスとして向かって行く先を見極めようとしている。その意味で、我々既存のメディアに携わっている者としては、参考になる一冊です。