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『道浦TIME』

新・読書日記 2014_076

『異物排除社会ニッポン』(宮崎学、双葉新書:2014、4、6)

 

日本人は「同調」する傾向が強い。山本七平氏の言うところの「空気」に支配されるというヤツだ。そして現在「アベノミクス」が「排除」しようとしているものは?「同調」して「排除する」のである。「同調」しないと「排除」されるから、仕方がなく「同調」して一緒になって「排除」する・・・。しかし「アベノミクス」に同調していると、国際的には、日本が「世界から排除される」と著者は説く。

さらに、第3章では、あんなにテレビの人気者だった人がいつの間にか「排除」されてきたとして、"テレビ信者"の行動を記す。

第4章では、排除社会の象徴としての「暴力団排除」を論じるが、これってなかなか理解を得られないかもしれないけど、「常在菌」のようなものなのだろうか?いや、それはちょっと、たとえが悪いか。

さらに第5章では「震災が浮き彫りにした排除」。

最終の第6章「民主主義による排除」は、"現在日本で行われている民主主義"にも疑問を呈している。

「すべての決定は、過半数勢力に委ねて、反対勢力は次の選挙まで『待機』ということになる。選挙は独裁政党を決めるだけのものとなり、選挙と選挙の間には、過半数を制覇した政治勢力による独裁政治が横行することになる。これは代議制民主主義ではない。最終的な多数決によらなければならないが、その結論に至る過程で、十分な討論が行われ、少数意見に耳を傾けることが必要不可欠なのだ。討論と説得により、異なる意見を集約し、コンセンサスを得ること。これが代議制民主主義の取るべきプロセスだと思う。」(201-202ページ)

ごもっともです。


star3

(2014、5、6読了)

2014年6月10日 16:22 | コメント (0)