新・ことば事情
5472「物販」
先日、「ミヤネ屋」で、
「物品収入で稼ぐ」
という言葉が出て来ました。この中の、
「物販」
というのは、「物品販売」ということですね。ところがこの「物販」という言葉、国語辞典には載っていないみたいなのです。『広辞苑』『精選版日本国語大辞典』『明鏡国語辞典』『デジタル大辞泉(電子辞書)』『NHK日本語発音アクセント辞典』『新明解国語辞典』『岩波国語辞典』『新潮現代国語辞典』には「物販」は載っていませんでした。
ところが!さすが新しい言葉をいち早く取り入れる、
『三省堂国語辞典・第7版』
は、見出しで採用していました!(空見出しですが。)
「物販」=(←物品販売)「物販店・食物販(=料理や加工食品を店で売ること)」
「食物販」ってのは初めて知った言葉ですねえ。あと『デジタル大辞泉(ネット版)』では、
「ぶっ‐ぱん 【物販】(「物品販売」の略)(形のある)商品・製品を売ること。
(例)「アイドルグッズの物販コーナー」
とありました。やはりり、一般に使われる始めたのは新しい言葉(略語)のようですね。グーグル検索では(5月29日)、
「物販」 =297万0000件
「物品販売」= 49万4000件
おお、正式名称であろう「物品販売」よりも、省略形の「物販」のほうが6倍も使われている!
でも、結局「ミヤネ屋」では、
「物品販売などで稼ぐ」
としました。