新・ことば事情
5467「美人さん」
最近時々、耳にし、また目にする言葉に、
「美人さん」
があります。「美人」ではありません、「美人さん」です。ここで疑問が。
「なぜ『さん』を付けるのか?」
ということです。
「美人だなあ」「美人ですね」
でいいのに、
「美人さんですね」
と、なぜ「さん」を付けるのか?
これはもしかしたら、
「自分とは縁遠い」
ということの表現として「さん」を付けているのではないでしょうか?ほら、会社の経営陣とか上層部のことを、平社員などが、
「えらいさん」
と言うじゃないですか。あれは、自分が手を触れることに出来ない、
「天上人」「雲上人」
のことを言うんですよね。この場合も、
「自分なんか付き合ってももらえない、ものすごくハイレベルの美人の女性」
の場合に「さん」を付けて「美人さん」と言うのではないでしょうか?
もしくは、それほどの美人ではなくても、「この言葉を使う人の自己評価が低く」て、
「どうせ、ボクなんて、歯牙にもかけてもらえない」
と思っているケースかもしれません。
グーグル検索(5月28日)では、
「美人」 =9280万0000件
「美人さん」 = 161万0000件
「えらいさん」= 15万5000件
「偉いさん」 = 44万5000件
でした。「お」を付けて「おえらいさん」と言うこともありますね。
「お偉いさん」 =51万2000件
「おえらいさん」= 5万4000件
あと、友人などの「彼氏(彼女)」のことを、
「彼氏さん」「彼女さん」
と言うこともあるようです。
「彼氏さん」= 54万9000件
「彼氏」 =3940万0000件
「彼女さん」= 47万2000件
「彼女」 =8060万0000件
でした。この「さん」は「敬語」かな。部活動の先輩を呼ぶときに。「名字」に「さん」を付けるのではなく、「ニックネーム」に「さん」を付けて、
「『タケちゃん』さん」「『タケ公』さん」
みたいな感じなのかと思うのですが、いかがでしょうか?
(追記)
あちゃー、「彼女さん」はついこの間に書いているではありませんか!すっかり忘れてた!
ことしの2月に「平成ことば事情5374彼女さん」で書いてました!そちらも読んでね!
(2014、6、4)