5448「取りづらい?取りにくい?」
ゴールデンウイーク明けの5月7日のお昼のニュースを見ていたら、こんなフレーズが。
「今年は飛び石連休で、まとまった休みが取りづらかったため」
この、
「取りづらかった」
ですが、この場合は本来、
「取りにくかった」
なのではないでしょうか?
この問題に関しては以前にも書いていると思います。調べたら、
平成ことば事情696「見えにくいと見えづらい」で書いていました。「2002年の5月」。ずいぶん前だな。それに、その後「追記」も加わり、「2006年10月」には、こう書いています。
『「物理的にできないのが『にくい』」
「心理的にできないのが『づらい』」
「にくい」は、既に「そうしよう」と行動は起こしているもののできない状態。
一方の「づらい」は、そういった行動を取ろうとは思っているのだけれどまだ行動を起こしてはいない状態。「づらい」には「辛い」「いやだ」という話し手の気持ちが入っているような気がします。だから、物理的にできない「にくい」の代わりに、気持ちの吐露の表現として「づらい」が以前よりも広く使われるようになってきたのではないか?』
と書いています。
それから、さらに8年を経て、現在では「~しにくい」がほとんど使われなくなって、「~しづらい」が圧倒的に使われている気がします。
グーグル検索してみましょう。(2014年5月7日)
「取りづらい」= 58万1000件
「取りにくい」=138万0000件
「しづらい」 =148万0000件
「しにくい」 =431万0000件
でした。意外と「にくい」が頑張っていますね。過去に書かれたものも残っているからかな。しかし実際の「話し言葉の現場」では、「づらい」が圧倒的だと思うんですが。
皆さん、いかがでしょうか?