新・ことば事情
5443「『山ウド』のアクセント」
3月12日、お昼のニュース担当の山本隆弥アナウンサーから、
「『山ウド』のアクセント」
について質問を受けました。
調べてみると、『NHKアクセント辞典』には載っていませんが、『デジタル大辞林』では載っていて、
「ヤマウド」(3)(0)
となっていました。つまり「3音目」に「山」がある、
「ヤ/マウ\ド」(中高アクセント)
と、アクセントの山がない、
「ヤ/マウド」(平板アクセント)
が載っていたのです。
以前、この「山ウド」のアクセントに関しては書いた覚えがあったので検索してみたら、
「平成ことば事情4675ヤマウドのアクセント」
で書いていました。2年前の4月9日。でも、この時は、結論にまでは至っていませんでした。
そこで読売テレビのアナウンス部で聞いたところ、
(牧野アナ)
「平板」で行きたいと思う今日この頃です
いずれも、「山」の後につく「2文字」で「頭高」は、「平板」が大半です
『山猿 山肌 山鳩 山ひだ 山猫 山繭』
植物では見つかりませんでしたが、「平板」傾向のほうが強いです。
「平板」しかないものもあります。
「ウド」に関しても、(1)「平板」で問題はないと思います。
一方、
山塩・・・「しお」は平板
山ぶどう(3文字)「ぶどう」平板
山桃・・・「もも」は「平板」・・・平板と/ ̄|__
山百合・・・「ゆり」・・・/ ̄|__
(萩原アナ)
第一に選択するのは、
(2)「ヤ/マ\ウド」(中高アクセント)
です。これはこどもの頃に聞いていた記憶に従った経験的選択。次に、
(1)「ヤ/マウド」(平板アクセント)
もあり、だとは思いますが、「山独活」を知らない街の人が使うアクセントに聞こえます。とはいえ、牧野さんの指摘にあるように、ほかの言葉の実例を鑑みると、「平板」が妥当なのかな、と感じられ、現在「経験的選択」の根幹が揺らいでいます。
というような意見があったほか、どちらのアクセントを使うのか聞いてみると、
(1)「ヤ/マウド」(平板アクセント)4人(=中谷、小澤、牧野、山本各アナ)
(2)「ヤ/マ\ウド」(中高アクセント)1人(=川田アナ)
(3)「ヤ/マウ\ド」(中高アクセント)1人(=道浦)
(4)その他(具体的に)=0人
ということでした。
(追記)
1年ぶりの追記です。この食べ物の季節になりましたね。
2015年4月2日の朝日放送のお昼のニュースで、ベテランの男性アナウンサーが、「ヤマウド」を、1回目は「狩人」のように、
「ヤ/マ\ウド」
という「中高アクセント」で読んでいました。(「カリュド(狩人)」は(1)カ\リュード(2)カ/リュ\ードと載っています。)
2回目は「平板アクセント」で、
「ヤ/マウド」
と読んでいました。
で、検索したら、実は3年前にも書いていたんだよね、これ。「平成ことば事情4675ヤマウドのアクセント」。でもその際は「山ウド」ではなく「ヤマウド」と全部カタカナだったので、検索に引っかからなかったと。
(2015、4、2)