新・読書日記 2014_060
『精神病とモザイク~タブーの世界にカメラを向ける』(想田和弘、中央法規:2009、6、30初版・2009、7、24初版第2刷)
映画「選挙」の監督で「観察映画」を標榜している想田和弘の著作。この本は、もう5年前に出ていたのだが、知りませんでした。「選挙」の後の映画「精神」をどうやって撮ったかを書いてあります。岡山の精神病院で患者さんを撮った映画。「モザイク」は一切なし。精神病の患者さんたちは顔を堂々と出してインタビューに応じているのだそうだ。しかし、映画公開前になって「やっぱり・・・」というような事態が起きたり、様々な問題に直面しての葛藤は、とても参考になった。闘っている。斬り込んでいるなあと感じた。
「飛ぶための準備は念入りにしてきたはずなのに、いざ羽を広げて眼下を見下ろすと、足がすくむ。しかし、それこそが『タブー』の本質であり、核心である。」
なるほど。
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