新・ことば事情
5429「劇変」
このところ「ミヤネ屋」のスーパーチェッククで、よく出て来る間違いに、
「劇変」
というのがあります。正しくは、
「激変」
ですよね。なぜ間違うのかな?と考えた時に「あ、そうか!」と思い当ったのが、某局の
「劇的ビフォー・アフター」
という番組。あの「劇的」という言葉と、「変化」が合わさって、「劇変」になったのではないか?
ただ、「劇」という字は「激」と同じように使われるケースもあります。たとえば、
「劇薬」
等は、意味上は「激薬」と同じですよね。そう書いても良いのではないかなと思います。
「劇的な変化」
を略して「劇変」と書いてしまうのかもしれませんね。
グーグル検索(4月23日)では、
「激変」=182万0000件
「劇変」= 3万46000件
でした。
と、このあとに国語辞典で「げきへん」を引いてみると・・・なんと、「激変」と並んで、
「劇変」
も載っているではないですか!『新聞用語集2007年版』で「げき」を引くと、
「『激』と『劇』の使い分けの例」
が載っていました。それによると、
*「激」=急激、激臭、激暑、激賞、激職、激震、激甚、激戦、激痛、激変、激務、激烈、激論
*「劇」=劇症肝炎、劇毒、劇物、劇薬
という使い分けのようで、これによると
「激変」
を使うことになっていますね。