新・読書日記 2014_046
『朝日新聞校閲センター長が絶対に見逃さない 間違えやすい日本語』(前田安正、すばる舎:2014、3、28)
新聞の広告欄で見つけた一冊。著者の前田さんは、朝日新聞の校閲センター長。以前、大阪にもいらしたので、その時以来の用語懇談会での「仲間」である。こりゃあ、読まなきゃ!と思って発行元を見ると、「すばる舎」。あ、これは大学のゼミの後輩の出版社じゃないか!と思って「広告、見ましたよ!」とメールして、まんまと一冊送ってもらった。ありがとうございます。
頂いたからには宣伝しなくちゃ!・・・ということでもないのだが、「言葉」に関して非常に読みやすく、しかも内容豊富な一冊です。
一般的に間違いやすい言い回しの正誤が1ページに2つぐらいずつ、ちょっとしたクイズ形式で掲載されていて、じっくり読まなくても、知っている所はパラパラと見て、「お?」と思う所は読み込むというのでも十分かと思いますが、初心者の方は"読むところだらけ"だと思います。
私が引っかかったのは、「白羽の矢が立つ」。これは「人身御供」「犠牲」の時に使われたというのは知っていますが、今や「当たった」という意味だけでも使われたりしているので、どのあたりでそれを認めるのかなあというところが気になりました。
また、会社に入りたての30年ほど前に「のべつまく(幕)なし」を「のべつくま(隈)なし」だと思い込んでいたのですが、それもクイズで出て来て、ちょっと懐かしくうれしかったです。137ページから139ページの「爆笑」「号泣」に関しては「意味が変わりつつある言葉」ですね。「三省堂国語辞典・第7版」で飯間さんも取り上げていますね。202ページの「にやける」もその一つですが、これに関して前田さんは、新しい意味の「にやにやする」も認めているのですね。いろいろとスタンスが分かり、勉強になりました!あ、それと私としては「文章の添削」のところは、あまり読む気にならずに読み飛ばしてしまったのですが、「ここが一番勉強になる」という人もいるのだろうなあと思いました。