新・ことば事情
5424「電書」
ITジャーナリスト・佐々木俊尚さんのツイッターを読んでいたら、
「電書」
という言葉が出て来ました。
「電子書籍を略した呼び方」
のようです。初めて目にしましたが、既に流通している言葉なのでしょうか?
たしかに「電子書籍」=「デンシショセキ」は「シ」「ショ」「セ」というような「サ行の音」が続くし、「ショ」という拗音もあるのでちょっと言いにくい。「電車」のような感じで略したほうが呼びやすいですが、まだ、それほど一般的とは言えないのではないでしょうか。
しかし、そのうち普通の本より「電子書籍」のほうが一般的になったら、「電子書籍」を「電書」と略すのではなく、今は一般的な「紙の本」を、
「紙本」
などと略して呼ぶようになるのではないか?と考えます。もちろん、
「電子書籍のほうが、紙の本よりも一般的になったら」
という前提条件は付きますが。その意味では、一番それに近いのが、
「電子辞書」
かなあと思います。「電子辞書」や「ネットの辞書」がかなり一般的で、いまやなかなか「紙の辞書」を引かなくなっていますから、既に、
「紙の辞書」
という呼び方が定着しているように思います。その流れで、「の」を省略して
「紙辞書」
という呼び方が出て来るのではないか?グーグル検索では(4月16日)、
「電子書籍」 =755万0000件
「電書」 = 40万5000件
「電子書籍、電書」= 14万4000件
「紙の本」 = 56万6000件
ネットでは「紙の本」よりも「電子書籍」という言葉の方がよく出て来ます。当たり前か。で、講談社のサイトには、
「電書info」
というのが、既にありました!そのほか、
「電書協」「電書ちゃんねる」「電書雑誌」「対面電書」
等の表記が出て来ました。使われているんだ、「電書」!
そして「辞書」は、
「電子辞書」 =256万0000件
「紙の辞書」 =196万0000件
「紙辞書」 = 1万8600件
という結果でした。「紙の辞書」「紙の本」「紙辞書」、やはり使われていますね。「紙辞書」は、まだ少ないけれど。
しかし!
私のスタンスとしては、たとえ使われることは減っても、
「カミは不滅です!」
さらには、
「私の辞書に"電書"はない!」