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『道浦TIME』

新・ことば事情

5414「134日の読み方』

Mアナウンサーが、

「『134日』はどう読めばいいのでしょうか?」

と聞いてきました。つまり「134日」の「4日」は、

「『ヨッカ』か?『ヨンニチ』か?」

ということですね。つまり、「平成ことば事情728 あと34日」でも書いた「34日」関連の読み方についてです。

「平成ことば事情728 あと34日」では、「14日」「24日」は「カレンダーにある」から「ヨッカ」という読み方に慣れているが、「34日」はカレンダーにないから「ヨッカ」と読むことはなじみがないのだ、という結論になっていました。

ですから、「134日」も、

「ヒャクサンジューヨンニチ」

でいいのではないかという結論を出しました。お昼のニュースの時間も迫っていたので、一応そういう結論でしたが、その後さらに考えてみました。

そもそも「暦(カレンダー)の数え方」では、「1日~10日」に関しては、「和語読み」で、

「ツイタチ、フツカ、ミッカ、ヨッカ、イツカ、ムイカ、ナノカ、ヨウカ、

ココノカ、トウカ」

となりますが、「11日」からあとは「漢語読み」で、

「ジューイチニチ、ジューニニチ、ジューサンニチ・・・」

となる中で、なぜか「14日」だけが、

「ジューヨッカ」

「4日」部分が「和語読み」になっています。そして「15日」からは、

「ジューイツカ」

とはならずに、

「ジューゴニチ、ジューロクニチ・・・」

また「漢語読み」に戻っているのです。ということは「14日」だけが特殊。しかし、その後も「24日」も、

「ニジューヨッカ」

と、また「4日部分」が「和語読み」です。ということは「14日」「24日」が特殊なのではなく、「4」という数字の読み方が特殊なのではないでしょうか?

そこで思い出すのは、

「4=死」

という「忌み言葉」です。「漢語読み」であるならば「4=シ」と読むはずですが、

「シ=死」

ということで避けられてそこだけ「和語読み」の「ヨ」になったのではないか?

それならば、

「ジューヨニチ」

となるところですが、これだと、

「十余日」

と同音で間違う恐れがある。そこで、「4日」の「和語読み」である「ヨッカ」を「ジュー」あるいは「ニジュー」の後に付けて、

「ジュー・ヨッカ」「ニジュー・ヨッカ」

という日付の読み方が出て来たのではないか?

そのあと、「34日」を「サンジューヨッカ」としない理由は、「平成ことば事情728 あと34日」で書いた通りです。そもそも「ひと月」を越えるような日数を、「日数」として数える習慣は、あまりなかったのではないか?昔は「ひと月」以上については、

「ふた月」「み月」「よ月」

のように「月単位で」数えていたのではないかということです。

大きな日数を、ちゃんと「日数」として数えるようになったのは、せいぜいここ100年ぐらいの「最近」の話で、だからこそ、

「サンジューヨッカ」「ヨンジューヨッカ」

などという言い方には、まだ我々のDNAは慣れていないのではないかと、きょう、

「4月4日(ヨガツ・ヨッカ)」

に感じたわけですが、いかがでしょうか?

(「4月」は「シガツ」、忌み言葉ではないのかな?昔は「卯月」といったので関係なかったのかな?)

(2014、4、4)

2014年4月 7日 11:25 | コメント (0)