新・読書日記 2014_040
『ヤンキー経済~消費の主役・新保守層の正体』(原田曜平、幻冬舎新書:2014、1、30)
少し気になっていて、「読んでみようかな」と思っていた一冊。著者は、写真によるとスキンヘッドでヒゲをはやして、いかつい風貌だが、1977年生まれの「まだ30代半ばの若造」(?)、失礼、「若者」と言えるような年代。博報堂のブランドデザイン若者研究所のリーダーを務めている。この年代ぐらいまでが、ギリギリ「若者」に直接接して理解できる上限なのかもしれない。
私は余り「ヤンキー」の気持ちが理解できない。しかしどうも一般的日本人は、本人はヤンキー」「不良」ではないけれども、「ヤンキー」「チョイワル」「ちょっと不良」に憧れている人が多いように感じていた。以前「ヤンキー文化」について書かれた本を読んで「ヤンキー文化」なるものが、日本人のひとつの大きな文化の流れであるという主張を知り、「あ、そうだったのか!」と目からウロコが落ちたことがある。この本は、その「ヤンキー」が昔の「ヤンキー」とは違って最近は"マイルド化"していて、しかも人数が多いので、これからの消費の主役になる・商売のターゲットとなる(もう、なっている)ということについて書かれている、と感じた。しかも、「マイルド化したヤンキー」は、「保守的」なのである。「若者っぽくない!」と感じるのは私だけではないだろう。意外と(失礼!)しっかりしているのだ。でも「それでいいの?」と言いたくなる部分もある。
また、「地元志向」が強いのもヤンキーの特徴。たしかに。「地元」がキーワードになっているのは、例の宮藤官九郎「あまちゃん」でも、さんざん描かれていたではないか!
21世紀に入って十数年たった"現在の日本の位置"を見定めるには、是非、読むべき本だと思った。