新・ことば事情
5403「剣璽」
天皇皇后両陛下が三重県の伊勢神宮に向かわれました。去年、20年に一度の「式年遷宮」を終えた伊勢神宮に「三種の神器」のうち、「剣」と「勾玉」を持って行かれたのです。
この「剣と勾玉」のことを、
「剣璽」
と呼ぶそうです。難しい言葉ですね。しかしこの、
「璽」
という漢字は、「常用漢字」なのです!しかし、めったに出て来ないし難しい漢字なので、きょう(3月26日)の「ミヤネ屋」では「ルビ」を振りました。
×「剣璽」→○「剣璽(けんじ)」
なぜ、こんなに難しくめったに出て来ないのに「常用漢字」なのか?と言うと、
「憲法の交付文」
に、
「御名御璽(ぎょめいぎょじ)」
という言葉が出て来て、この中で「璽」という漢字が使われているからです。これは、
「天皇の名前(=御名)」「天皇の印鑑(=御璽)」
という意味です。
そして、憲法に出て来る言葉は「常用漢字に入れる」というのが原則なのです。これは、
「憲法の文章は、全ての国民が読めるべきである」
という姿勢に基づくものでしょうね。