新・ことば事情
5393「歪む」
佐村河内守さんの「偽ベートーベン問題」というか"ゴーストライター"問題。
先週金曜日(3月7日)の会見で出て来た言葉の中に、
「(音が)歪む」
がありました。この漢字は常用漢字ではない(表外字)ですが、読み方は、
「ゆがむ」
でしょうか?それとも、
「ひずむ」
でしょうか?どちらの読み方もあります。でも使われる場面が違うと思います。
「音」 に関しては「ひずむ」
「映像」に関しては「ゆがむ」
と読む気がします。
「聴覚」=ひずむ
「視覚」=ゆがむ
ともに「本来ある形ではない形」になっている場合です。
「きく」(KIKU)→「ひずむ」(HIZUMU)
「みる」(MIRU)→「ゆがむ」(YUGAMU)
ということで、「きく」が「ひずむ」となるのは「き」と「ひ」、ともに「イ段」の音ですが、「みる」が「ゆがむ」になるというのは、「イ段」が「ウ段」になっています。これは何か関係があるのかな?
「ひずむ」「ゆがむ」ともに「む」で終わっているのも、何か関係があるのかな?
2音目が「ず」と「が」というともに「濁音」になっているのも、何か関係があるのかな?
「歪」という漢字に「和語」の「ひずむ」「ゆがむ」を充てたということは、やはり共通した特徴があるということでしょう。
なんとなく関連がありそうな、2つの言葉でした。