新・ことば事情
5389「関西弁の『そこで』と『外で』」
先日、眼科検診に行った時に、「外の待合室」でしばらく待たされた後に、「中の検査室」で視力検査を受けました。そのあとに先生の診察があるのですが、それまでまたしばらく待たされます。検査室のスペースにもソファがあってそこで待っている人もいるのですが、検査を行った看護師さんは、こう言いました。
「では、『そ○で』お待ちください」
この「○」が聞き取れなかったのです。彼女は果たして、
「『そこで』と言ったのか?それとも『外で』と言ったのか?」
これが「共通語アクセント」であるならば、
「そ/こで」(平板アクセント)
「そ\とで」(頭高アクセント)
は、アクセントが違いますから「こ」か「と」かが聞き取れなくても間違わないのですが、関西弁の場合は、
「そ/こ\で」「そ/と\で」
は「同じアクセントパターン」(「そこ」「そと」が共に「尾高アクセント」)なので、聞き取れなかったのです。
「え?『そこ』ですか?『外』ですか?」
と聞き返したところ、「外」を指さしながら、
「あ、外です」
と言われて、一件落着です。