新・ことば事情
5387「ほな待っとり」
2月20日のNHKの朝ドラの中で、
「まず、ご飯にしよか。」
「うん。」
「うん。ほな、待っとり。」
という会話がありました。この、
「待っとり」
がちょっと気になりました。ここは、
「待っとき」
の方が大阪弁としてはしっくり来るような気がしたんですが・・・。「待っとり」は、
「待っとります」「待っとりました」
のようにつながるなら、不自然さはありませんが、言い切りの形だと、
「待っとき!」
のほうが自然な気がします。なぜだろう?
「待っとき」の語尾の「き」は「命令形」のように思います。
「待っときなさい」
の「なさい」が落ちた形。そしてこれを元の丁寧な形で言うと、
「待っておきなさい」
ですね。これに対して「待っとり」を丁寧に言うと、
「待っておりなさい」
になるか。「待って」の部分は同じだから、違うのは、
「おきなさい」か?「おりなさい」か?
ということになり、結局は「終止形」としては、
「おく」と「おる」の違い
ということになりますね。「おる」のほうが「西日本っぽい感じ」もするから「待っとり」も「あり」なのかなあ。でもまだ違和感があるなあ・・・。