新・ことば事情
5383「レンタカー店」
2月23日に名古屋でレンタカーが歩道に突っ込み、13人がけがをするという事件が起きました。それを伝えた2月24日朝の日本テレビ『スッキリ!!』で、容疑者が自動車を借りたところを、
「レンタカー店」
と表現していましたが違和感がありました。
「自動車を『売っていない』のに『店』というのは不自然」
だと感じたのです。自動車を「貸している」のですからね。ここは、
「レンタカー会社」
のほうが「スッキリ」するのではないかな?と思いました。
しかし、よく考えたら、
「レンタルビデオ店」
という言い方はありましたね。ここは「慣れ」で違和感を覚えなかったのでしょうか?
「レンタルのお店」「レンタルの店舗」
という言い方も違和感はありません。
「クリーニング店」
も、洗濯物を売っているのではない「サービスを提供している」のに、「店」で違和感はありませんね・・・。
こんなことを考えていたら、2月のニコ生「道浦俊彦のことばのことばかり」にゲスト出演して下さった、兵庫県立大学の真鍋雅史准教授から、
「『レンタカーを借りる』って重複表現ではないですか?」
と質問を受けました。そんなに私は気にならなかったのですが。その場では、
「そうですねえ」
と答えるにとどまりましたが、よく考えると、この場合の「レンタカー」は、
「貸し出し用の自動車」
で、それを「借りる」のですから、特に問題はないように思いました。それと、
「レンタルショップ」
という和製英語と思われる表現もありますよね。これもそんなに違和感がないなあ。