新・読書日記 2014_023
『漂流者~野球さえあれば、世界のどこでも生きていける』(マック鈴木、三交社:2014、2、1)
「マック鈴木」が、日本のプロ野球を経ずにメジャーへ行くと聞いた時、もう20年ほど前になりますが、かなり衝撃的でした。野茂秀雄投手のメジャー挑戦が1995年、それに先立つこと3年です。遂に「大リーグ」ではなく「メジャーリーグ」が、日本人選手の視野に入って来たか、それも高校を途中でやめた若者がメジャーへと言うのは「ビッグニュース」だと思ったものです。その後、いつブレークするか?と期待していたのですが、あまり噂を聞かなくなったなあ・・・と。
日本に戻って来てからも、それほどブレークしないまま「もう引退したんだろう」と思っていました。その辺の当時の状況が、本人の口から語られているので、興味深い。
アメリカからプエルトリコ、ベネズエラ、ドミニカ、メキシコ、台湾、カナダ、そして日本。今は、兵庫・淡路島に住んでいるという。
サブタイトルの「野球さえあれば、世界のどこでも生きていける」というのは、「実力があれば」ということと「野球をやっている国であれば」とういう制限はあるが、高校中退の少年が、力強く世界を股にかけて生きて来た、そしてもう、あと1年ちょっとで「不惑」を迎えようとしている、その数奇な半生を、じっくりと読んでみてほしい。
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