新・ことば事情
5367「台湾出身」
2月19日放送の「ミヤネ屋」で、女優の香里奈さんが電撃結婚か?というニュースを報じました。その際に、相手の男性が、
「台湾国籍」
というテロップを1か所だけ出してしまいました。
我が国・日本は現在、「台湾」=「中華民国」を「国」として認めていない(国交のある「中華人民共和国」の一部という認識)ので、「台湾国籍」という表現は正しくありません。同じように国際的には「国」として表向き認められていないような場合、しかしながら、例えば「オリンピック」には参加を認めるというような場合には、
「『196か国』ではなく『196の国や地域』」
というように「地域」という表現が使われるのは、こういった事情があります。
この問題に関しては、以前も何回か書いています。
「平成ことば事情638 台湾籍」
「平成ことば事情775 台湾人」
「平成ことば事情1226 台湾人医師」
それらを改めて読んでみると、
「台湾籍」
なら使ってもいいのかな?という感じでしたが、今回、このニュースを最初に報じた2月19日付「東京中日スポーツ」は、
「台湾出身の年下の一般人男性」
という表現を取っています。知り合った場所が、
「ハワイ・オアフ島の語学学校」
ということもありますし、
「台湾出身」
という表現はふさわしいのかもしれないなあと思いました。