新・ことば事情
5362「凱旋2」
「平成ことば事情679」で書いた「凱旋」の続きと言うか、関係ないと言うか・・。
2月18日、ソチ五輪スノーボードのハーフパイプで見事、銅メダルを獲得した、雪のない奈良県御所市在住で、大阪・上宮高校3年生の平岡卓選手が、「ミヤネ屋」に生出演してくれました。
「おっとり」
という表現をされるんだけど、まあ、こう言ったら失礼ですが、見かけは、
「どこにでもいそうなフツーの若者」
ですねえ。どちらかというと、あまり表情に変わりがないのですが、そこが、
「彼なりの味」
なのだなあと感じました。ソチの五輪会場でも、マイペースでプレーできたからこそ、メダルを獲得できたんでしょうね。でも、4年後はまた、ずいぶん変わっているかもしれませんね。
その平岡選手が帰国したことを、
「凱旋」
と表現していいか?とデスクが聞いてきました。というのは、
「『凱旋』は、『勝って帰国すること』だから、『銅メダル獲得(3位)』は『勝った』と言えるのか?」
という疑問を、担当ディレクターたちが話していたというのです。
たしかに!
厳密に言うと「駄目」なのかもしれません。でも今回、
「『メダル獲得』というのは、『凱旋』に値するのではないか?」
一方でまた、「金」が期待されていて「銀」あるいは「銅」のメダルしか取れなかった場合は、「凱旋」は使いにくいなあ、ということはありますね。
今回の平岡選手に関しては、心から「おめでとう」と言えるし、「凱旋」を使ってもいいのではないか?と判断しました。
なお、「平成ことば事情3572凱旋帰国」「平成ことば事情4485『凱旋帰国』は重複表現か?」もお読みくださいね。