新・ことば事情
5361「寒ビラメは濁る」
2月8日放送の日本テレビ『青空レストラン』で紹介していた、
「寒ビラメ」
これは「ヒラメ」ですが、頭に「寒」が付くとその後は、
「ビラメ」
と濁っていました。
「舌ビラメ」
も濁りますから、「ヒラメ」は頭に何か修飾の言葉が付くと「濁る」のでしょう。
「魚の名前」には、頭(前)に言葉が付いた場合、「魚の名前の頭が濁る」場合と「濁らない」場合があります。たとえば、今見たように「ヒラメ」は「ビラメ」と濁りますが、「サンマ」は、
「ザンマ」
とはなりません。濁らない。「サバ」も濁らない。「秋サバ」ですね。「サケ」は、「濁る場合と濁らない場合」があります。「フグ」は濁りません。濁ると「ブグ」になって「武具」と間違う。間違わないか。これは一体なぜ、差があるのでしょうか?
「濁音」ですから、魚の名前の中でも「カ行」と「サ行」「タ行」「ハ行」で始まる名前ですね、問題となるのは。思いつく魚の名前は、
<カ行>カジキマグロ、カマス、コチ、キンメダイ、カンパチ、クロマグロ、クエ、
カツオ、キンキ、クロダイ、カサゴ、クマノミ、キス、カワハギ、キビナゴ、
カレイ
<サ行>サンマ、サバ、スズキ、サケ、サワラ、サメ
<タ行>タイ、タラ、トビウオ、タコ、タチウオ、タナゴ
<ハ行>ハマチ、フグ、ヒラマサ、ヒラメ、ヒラソウダ、ハタハタ、ハゼ、ハタ、
ホウボウ、ボラ
この中で、
*「濁る」のは、
コチ、カツオ、キス、カレイ、サケ、サメ、タイ、タラ、タコ、ヒラメetc.
*「濁らない」のは、
カジキマグロ、カマスキンメダイ、カンパチ、クロマグロ、クエ、キンキ、クロダイ、カサゴ、クマノミ、カワハギ、キビナゴ、サンマ、サバ、スズキ、サワラ、トビウオ、タチウオ、タナゴ、ハマチ、フグ、ヒラマサ、ヒラソウダ、ハタハタ、ハゼ、ハタ、ホウボウ、ボラetc.
といったところでしょうか。なぜこの違いが出て来るのか?うーん、わからんなあ。
ひとつ、言えることは、
「ヌメリゴチ」「トカゲゴチ」
のように「コチ」は濁ります!つまり、
「ゴチになります」
といったところですね。