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『道浦TIME』

新・読書日記 2014_012

『ポエムに万歳!』(小田嶋隆、新潮社:2013、12、5)

 

ピンクに銀色の文字と派手な表紙!

小田嶋さんと言えば、舌鋒鋭い評論家として胸のすく文章を書かれるが、この「ポエム」とは一体、何なのか?そもそもこのド派手な表紙は、小田嶋さんらしくない気がする。なぜ???そういう興味でもって購入、読んでみた。

私の解釈では、「偽善的なにおいのするもの」を「ポエム」と呼んでいるようだ。「偽善」と言い切ると「悪い」イメージがあるが、それはちょっと違う。

「世の中の多くの人たち(=大衆)に好まれる心温まる、でも無責任な言葉や事象」

のことで、これを真っ向から否定するのは、一般的には、はばかられる。しかし、客観的・冷静に、シニカルに考えると、

「そんなの無理だろ。できるもんなら、みんな既にやってるよ」

というように、斜に構えた者は見てしまうようなもの。まあ、ちょっと思い切って言っちゃうと、「世の中の『あいだみつを』的な物もの」が「ポエム」的であると。たしかに「あいだみつをの言葉」は、本来の意味で「ポエム」そのものだよなあ。そういうポエムを「否定」するのか?それとも、それを実現すべく、力を注ぐべきなのか?タイトルの「万歳」の意味は、そのまま取っていいのか?悪いのか?本書をお読みください。

1月の半ばぐらいに、NHKの「クローズアップ現代」で、小田嶋さんをゲストに呼んでこの問題を取り上げていたが、その番組終了直後に流れた「花は咲く」のVTRは、まさに「ポエム」的なものであった。わざとああいう編成にしたのか?たまたまか?もしくは、そういったことに反発した「クローズアップ現代」のスタッフが、ああいうネタを取り上げたのか?その辺りは謎です。


star4

(2014、1、3読了)

2014年2月18日 12:16 | コメント (0)