新・ことば事情
5355「ドロップイン」
ソチ冬季五輪、真っ只中です!冬季五輪のほとんどの競技は、
「私たちには絶対にできない」
ものばかり。「モーグル」にしたって「ジャンプ」にしたって、スタート地点に立つだけできっとギブ・アップです。
唯一「できるかも・・・」と思わせるのは「カーリング」ですが、それも高度な作戦を練ってその通りにストーンを導かなくてはならず、「わしゃ、無理」状態です。
いろんな競技を見ていると、聞き慣れない専門用語がたくさん出て来ます。
例えば、「フィギュアスケート」の技では、
「フリップ」「ルッツ」「サルコウ」「トーループ」「アクセル」
などなど。(「トゥーループ」という表記も見られますが、「ミヤネ屋」では「トーループ」という表記っを用いています。)
言葉もわからないし、見ていても、
「一体、何回 回ったのか」
も、わからない。よく目が回らないなあと感心します。分かるのは、体がよろめいたとか尻餅をついたとか、そんな失敗したときだけというのが、せいぜい素人がわかることではないでしょうか。
そんな中で、平野歩夢選手(15)が銀メダル、平岡卓選手(18)が銅メダルを取ったスノーボードの「ハーフパイプ」を見ていたら、実況アナウンサーが、あの「ハーフパイプ」に入る時のことを、
「ドロップイン」
と言っていました。高さ6m近い雪の壁を滑り下りるのですから、
「ドロップ゚=落とす」
という言い方は「なるほどなあ」と思いました。語感としては、
「ポトリと水滴を落とす」
ような感じですが、選手は「さあ、始めるぜ!」というような勢いとともに「ドロップイン」していきます。
「○○・イン」
と聞くと、私などがすぐに思い浮かべるのは、
「ズーム・イン!」
ですが、「ドロップイン」した若き選手たちの頑張りに、「ズーム・イン!」ですね。