新・ことば事情
5352「ローマ法王フランシスコ」
「ローマ法王フランシスコ」
の呼び名は、イタリア語からラテン語、「1世」を付けるか付けないかと、
「フランチェスコ1世」→「フランシスコ1世」→「フランシスコ」
と、短い期間に二転三転しましたが、結局、各社どのような表現に落ち着いたのか?ということに関して、去年(2013年)4月の新聞用語懇談会放送分科会で質問しました。それに関して各社の委員からの意見は、
(NHK)「バチカンのフランシスコ法王」
(TBS)「ローマ法王フランシスコ」。2回目からは「ローマ法王」。「フランシスコ法王」は"すわり"は良いが、使わない。
(フジテレビ)「ローマ法王フランシスコ」
(テレビ朝日)当初「ローマ法王フランシスコ1世」としていたが「ローマ法王フランシスコ」に。理由は、日本カトリック中央協議会からの要請や、外務省が「フランシスコ」としたこと、欧米メディアも「1世」を付けていないことなどから。
(テレビ東京)「フランシスコ法王」
(日本テレビ)テレビ朝日と同じく3月下旬に「ローマ法王フランシスコ」とした。原則は「2世」が出て、初めて「1世」と呼ばれるから。2回目以降は「法王」。
(共同通信)日本カトリック中央協議会にようると、当初は、イタリア語読みで「フランチェスコ1世」だったので、朝日・読売・外務省も伝えた。ところが教皇庁は「ラテン語」なので「フランシスコ1世」となった。ところが本国では「1世」は付いていないというので「フランシスコ」に訂正された。共同では「ローマ法王フランシスコ」。2回目以降は「法王は~」というようにした。新聞は全て同じ。朝日新聞は最後に変更した。
とのことでした。
「なんで今頃、こんなことを書くか?」
というと、既に書いたつもりが検索できなかった(まだ書いていなかった)から。
もう一つ、直接的な原因は、
「宇多田ヒカルさんの婚約者のイタリア人の名前が『フランチェスコ』だったから」
"フランチェスコ"と"フランシスコ"の違いについて考えた時に、
「あれ?フランチェスコって、ローマ法王と同じじゃないの?」
と思ったからです。