新・ことば事情
5331「メードイン関西」
「ten.」のSプロデューサーが、「新聞のラテ欄」の表記の相談に来ました。
「メードイン関西」
という見出しを出したいのですが、この場合、
(1)「メイド」か?「メード」か?
(2)「・」は必要かどうか?
という2点についての質問です。
『新聞用語集』の外来語の書き方を見ると、似たようなもので、
「メード・イン・ジャパン」
という表記が載っていました。ここから、まず(1)の表記に関しては、
「メード」
と「-」で引っ張るということが分かりました。
一方、(2)に関しては、それ以外の外来語の表記を見てみたところ、どうやら、
「アールデコ」「アールヌーボー」「アロマセラピー」「イレギュラーバウンド」「インフォームドコンセント」「ウエディングドレス」
など、「2語」の場合には「・(中黒)」は付かないで、
「オール・オア・ナッシング」「キック・アンド・ラッシュ」「ギブ・アンド・テーク」「ステップ・バイ・ステップ」「バランス・オブ・パワー」
など「3語(以上)」の場合には、単語の区切りに「・」が付いていることがわかりました。例外的に、
「シンガー・ソングライター」
は、「シンガー」「ソング」「ライター」の「3語」でできていますが、「ソングライター」が「複合語=1語認定」されたからか、
「2語扱いだけど『・』を付ける」
ことになっているようです。
「メード・イン・ジャパン」は、「・」が必要ですが、今回は「ジャパン」ではなく「関西」という漢字なので、カタカナは「2語」。よって、
「『メードイン関西』には『・』は不要」
という判断をしました。翌日の新聞ラテ欄には「メードイン関西」という表記で出たのですが、そんな苦労があったにもかかわらず、本放送でのスーパーは、
「メイドイン関西」
と出ていました。うーむ、まあ、わかればいいとはいえ・・・・。