新・ことば事情
5330「『バカにされる』と『バカと思われる』のアクセント」
ふと、バカなことが気になりました。
(1)「バカにされる」
(2)「バカと思われる」
の「バカ」のアクセントは違いますよね。
(1)は「平板アクセント」で「バ/カに」
(2)は「頭高アクセント」で「バ\カと」
になります。その違いは、「品詞の違い」によるのでしょうか。
アクセント辞典で、名詞の「バカ」を引くと、
「バ\カ」(頭高アクセント)
で載っているほか、副詞の「ばかに暖かい」の「バカニ」も、
「バ\カニ」(頭高アクセント)
同じ「頭高」です。ところがアクセント辞典には、これ以外に、
「バカニスル」「バカニナラナイ」
も見出しとして載っていて、そのアクセントは、
「バ/カニスル」(平板アクセント)、「バ\カニスル」(頭高アクセント)
「バ/カニナラ\ナイ」(中高アクセント)、「バ\カニ・ナ/ラ\ナイ」(2語アクセント)
というように載っています。単独の名詞の「バカ」のアクセントは「頭高」に固定されていますが、「連語」として使われる場合は「コンパウンド」が生じていると考えたほうがいいのでしょうね。